ピルについて3回お話しして来ましたが、今回は、そもそもどうしてピルで避妊できるのか、ということをお話しします。
そのためには、女性ホルモンの働きについて簡単に説明する必要があります。
2種類の女性ホルモン
いわゆる「女性ホルモン」には卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類があります。
卵胞ホルモンは生理が終わってからすぐに分泌され始めます。
黄体ホルモンはこの時はまだ分泌されていません。
普通に生理が来ている女性であれば、この期間(卵胞期:卵胞ホルモンだけ分泌されている期間)が10日くらい続いた後に排卵が起こり、それから黄体ホルモンが分泌され始めます。
すると基礎体温がちょっと上昇します。
この期間(黄体期:黄体ホルモンと卵胞ホルモンが一緒に分泌されている期間)が2週間くらい続いた後に、どちらのホルモンも急に分泌されなくなります。
そうして生理が起こるわけです。
基本的な発想
生理が終わったばかり、自然な状態では卵胞ホルモンだけ分泌されている時期から黄体ホルモンが分泌されていると排卵が起こらなくなります。
「ならば、黄体ホルモンを薬で補えば妊娠を避けることができるだろう」
これがピルの原点となった発想です。
この原点は今も変わりません。
ただ、避妊ピルが開発されたばかりの頃は、どれくらいの黄体ホルモンを補えば避妊できるのか、よく分かっていませんでした。
そのため、確実な避妊効果を得るためにかなりの量の黄体ホルモンを使っていました。
その後、もっと少ない量でも避妊効果が得られることが分かり、少しずつ1錠あたりのホルモンの量が減らされました。
また、確実な避妊効果が得られ副作用の少ない人工的な黄体ホルモンが次々に開発されています。
新世代のピル
こうやって、含まれるホルモンの量をできるだけ少なくしたのが、現在主流の低用量ピルです。
日本で避妊用のピルとして発売されているのはすべて低用量ピルです。
ピルについて「むくむ」とか「太る」とか「ニキビができる」などの副作用が言い伝えられていますが、これは昔の多量のホルモンを含んでいたピルの話で、現在の低用量ピルでは、副作用はずっと少なくなっています。
ただ、黄体ホルモンだけでは副作用を防ぎ切れないので、卵胞ホルモンを少量混ぜることで副作用をさらに減らすようにしています。
つまり、ピルというのは黄体ホルモンと卵胞ホルモンを適切にブレンドした薬なのです。







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